この数十年、渋谷のまちには流行の風が吹き、変化を続けてきました。変化しつづけることを半 ば義務づけられた渋谷のまちには、だるまさんの『七転び八起き』の精神が育まれてきたように 思います。私たちは、激動の渋谷のまちに生きる人たちや風景を写し、その表情をだるまの形に コラージュすることで、変化するまちで力強く、たくましく生きるひとたちの表情を楽しく表現 したいと思います。

今年東急渋谷駅が地下化されて、また渋谷の風景が変わります。東急文化会館がどんなだった か、思い出せますか？神宮前のキャットストリートが小川だったって、知ってました? 戦後68 年の渋谷は、ヤミ市からヒカリエまで、その姿を激変させてきました。ここに全く同じ渋谷のあ る地点から撮った、戦後から昭和30年代の写真と現代の写真を並べます。今の風景は来年には もう懐かしい風景。まちは時代を超えてつくられてゆきます。

渋谷の桜丘町や鴬谷町に住む方たちとの協同作品。ヒト（年齢）とモノ（建物）の歴史にスポッ トを当て、桜丘町と鴬谷町のエリアにあるモノの前でヒトを撮影しました。ヒトが手で持ってい る「10刻みの数字」はヒトとモノに共通したおよその年齢を表します。「今後開発などにより 変わっていくであろう街並み」と「変わらない街並み」、そしてそのなかで生活する人たちを写 しています。

1970年代初期に若者文化の発信地となった渋谷は、現在ではヤングファッションの聖地として の地位を獲得しています。その渋谷の象徴でもあるヤングファッションを切り口に、学生視点か ら見た、現代という時代の動きを映す若者の姿を、渋谷ならではのさまざまな彩りとともにポー トレートに表現します。

「三業通り」をご存じですか？ 渋谷の地図を眺めていると優美な曲線を描く1本の通りに気づき ます。道玄坂上から旧山手通りへと抜ける「三業通り」です。かつて芸妓置屋、待合、料亭の営 業が許可された三業地（花街）であった神泉・円山界隈をくねくねと貫く風趣漂う通り。その魅 力を顕在化すべく「三業通りプロジェクト」始動。第2弾は写真家キニー＋横溝光太郎による 「三業通り」界隈に生息する人々のポートレイトです。

渋谷といえば「ハチ公」。ハチ公の時代から、人と犬の接し方は変わったかもしれないし、変 わっていないかもしれません。渋谷の様々な街並みや場所を背景に、犬と人の触れ合う様々な姿 を写し出します。写真を前にして、あらためて犬との接し方について思いを馳せてみてみてはい かがでしょうか。もちろん、ただただ可愛らしいワンちゃんたちに心癒されるだけでもOKです！

1994年当時、桑沢デザイン研究所へ通っていた写真家・鈴木一成が撮りためていた渋谷に集ま る若者たちのストリートスナップ。そして2013年現在、桑沢デザイン研究所に通う3名の学生 たちが、それぞれのテーマを持って街へ飛び出し、ファインダーを通じて見える現在の渋谷を撮 影した写真。ここには、1994年からの変わりゆく渋谷が表現されています。

渋谷の至るところに立ち並ぶ喫茶店。街が変化を遂げるなか、新しいお店がオープンし、一方で は閉店し、喫茶店も日々移り変わっています。おなじみのチェーン店、洗練されたカフェ、昔な がらの純喫茶。アルバイトの学生から長年経営する店主まで。一杯のコーヒーを提供する店員さ んの姿は、街と同じように多様です。区内の喫茶店20軒にお邪魔して、店員さんを撮影しました。

ふるくからあるもの、あたらしくできたもの。これは、ちがう時代におなじ渋谷で、それぞれの 時を過ごした、2組の男女のはなし。ここには学校帰りに立ち寄った渋谷でふたりの時間を過ご す学生カップルが、2組登場します。ひと組は数十年前にできた街なみを背景に、その時代の ファッションで身を包んだカップル。もうひと組は最近新しくなった街なみを背景に、今どきの カップルを映しています。